暑かった夏も過ぎ、食欲の回復する秋がやってきました。「実りの秋」ともいわれ、夏の日差しを受け栄養をたっぷり含んだおいしい旬の食材が食卓に並び、つい食べ過ぎてしまう方も多いのではないでしょうか?この季節の変わり目にこそ、私たちの体への負担要因が隠されていることを忘れてはいけません!
特に、近年注目されている「脂肪肝」は生活習慣や、食事の選択に関わる健康課題です。
今回は簡単に脂肪肝についてご説明いたします。
脂肪肝とはおもに中性脂肪が多量に肝に沈着した状態で、組織学的には肝小葉の30%以上に脂肪化を認める状態をいいます。
食事で摂った脂質は、小腸で吸収され肝臓で脂肪酸に分解され、糖質はブドウ糖に分解されて、小腸から吸収された後、肝臓で中性脂肪に変化します。摂取エネルギーと消費エネルギーのバランスが取れていればよいのですが、脂質や糖質を摂り過ぎていてさらに運動不足の場合には、使いきれなかった脂肪酸やブドウ糖が中性脂肪として肝臓に蓄えられます。
従来、脂肪肝は肝臓に中性脂肪が蓄積するだけで心配のない病気と考えられていましたが、非アルコール性脂肪肝炎 (NASH)への進行のほか、狭心症や心筋梗塞など心疾患の合併率が高く、生活習慣病の温床となることがわかってきました。
脂肪肝には痛みなどの自覚症状がありません。ただ、脂肪肝になるといわゆる「ドロドロ血」になり血流が悪くなるため、全身の細胞に酸素と栄養分が補給されなくなり、疲れやすい、肩がこる、頭がボーッとするといった症状が出ることもあります。
生活習慣が原因の脂肪肝は、生活習慣を改善すれば治ります。食事療法、運動、禁酒を行い、
秋の味覚を楽しみながらも脂肪肝のリスクについて考え、体に優しい選択をしていきましょう!